Solo Exhibition
-PASSING-
NEORT++にて個展を開催いたしました。
作品「PASSING」では、現実空間に設置した写真にデジタル映像を投影する独自の技法を用いて「現実」と「非現実」、「物質」と「デジタル」、「現在」「過去」「未来」の境界をこえ 静止した時間と動的な時間が交錯する新しい視覚体験を提供します。
写真に完全に一致する映像を投影することで、時間の流れを示す映像と時間の終点を表す写真が同時に共存する特異な空間を生み出します。
この作品では、時間の流れやその不可逆性、記憶の構造や再現など時間体験において鑑賞者に新たな洞察を与えることを目指しています。




タイトルにあるPASSINGから撮影された素材は全て一人称視点で何かに向かって進んでいるもしくは何かが通り過ぎるよう意識して撮影が行われている。視点の変遷を記録するという点でも面白みがある。本来写真ではシャッターを押すまでの時間軸は意識されることはないが、この技法では鑑賞者に撮影以前の時間軸においても意識をさせることができより時間の交錯時間の不可逆生という点を印象付けることができる。また時間の交錯、リアリティーの交錯だけでなく視点の交錯というものも感じ取ることができる作品になっている。「鑑賞者にとって映像が撮影者によって手ブレしている様子から写真へと変化し固定化されることでノイズとなっていた手ブレが消え鑑賞者の視点へと変化するのである(間主観性)」